クナ族の社会は女性優位です。
吉田穂高先生は、その著書「季刊民俗学2」で「クナ族の女性は自分たちの生活を保守する意志が強く、一家の最年長の女性が商売も家事の一切をもまかなうなど、すべてに権威を持っている。」と述べられています。
確かに、私がパナマで出会ったクナ族は、穏やかでおとなしい男性が多い反面、女性はどの年齢層も明るく元気で、けっこう活力のある人が多いように思いました。
クナ女性のパワーやバイタリティーを強く感じたこともたくさんありました。
しかし、その女性たちをさらによく見ると、頭には赤地に黄色の模様をプリントした布をかぶっているのです。
これは、Musye「ムスウェ」と言われるもので、どのクナ族も皆、赤色の頭巾をかぶり、赤色以外の頭巾はないのです。
また、下半身には、紺系や黒系のプリント地のSapurrete「サプゥレッティ」と呼ばれる腰巻のような布を巻きつけています。柄は緑色や黄色などいろいろな色の様々なデザインが施されています。
「NHK世界手芸紀3」には、クナ族の女性の格好を見て、「彼女らの服装は、全部が驚くほど派手な色なのに、それぞれの色がけんかせず、何となく統一されています。たぶん、頭巾と腰巻の赤と紺の二色が、全体を引き締めているのでしょう。」と述べられています。
また、手首と腕、足首とふくらはぎの部分には、Wini「ウィニー」と呼ばれる幅広のビーズの飾りをきつく巻きつけています。
さらに、アクセサリーは、イヤリングとネックレス、そしてArcolla「アルコジャ」と呼ばれる金の鼻輪をしています。
しかし、この鼻輪を付けている女性は、年配の方が多いのですが、今では、鼻輪を付けたクナ族はなかなか見られなくなってきているのです。
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